金融機関からの督促状を無視し続けたら起きること

金融機関からの督促状を無視し続けたら起きること

金融機関から届く督促状を「怖くて開けられない」「どうせ借金を払えという内容にすぎない」と放置してしまう人も少なくありません。

しかし、督促状の無視は、事態を深刻化させる危険な行為です。そこで以下では、金融機関からの督促状を無視し続けたら起きることについて解説します。

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金融機関からの督促状を無視し続けたら起きること

返済期日を過ぎても支払わないと金融機関から督促状が送られてきます。督促状を無視し続けると起こることを確認しましょう。

遅延損害金が増える

督促状を無視し続けて返済を怠ると、元本だけでなく「遅延損害金」が発生します。これは契約に定められた遅延利率に基づき、支払いが遅れた期間に応じて加算されるペナルティです。

消費者金融などの場合、年利20%近くに設定されていることもあり、放置すればするほど借金が膨らみます。たとえ少額の延滞でも、長期間無視すれば数万円~数十万円の追加負担となることもあります。

ブラックリストとなる

督促状を無視し続けると、信用情報機関に金融事故として登録され、いわゆる「ブラックリスト」状態になります。

これにより、今後一定期間(通常5年~7年)、ローンの新規申込やクレジットカードの申し込み・更新ができなくなります。携帯電話の分割払いも審査に通らない場合があるため、生活に支障をきたす恐れがあります。

期限の利益を失う

返済が滞り、督促にも応じなかった場合、「期限の利益の喪失」が発生します。これは、分割払いや据置期間といった契約上の優遇措置が取り消され、残りの債務全額を一括で支払うよう請求される状態です。

この時点で猶予はなくなり、借入先から法的措置をとられるリスクが急激に高まります。支払いが困難でも無視するのではなく、まずは誠実に事情を説明し、分割の再交渉などを行うことが大切です。

債権譲渡・代位弁済・弁護士や債権回収会社に委託

金融機関が自社での債権回収を断念した場合、債権が第三者に譲渡される、保証会社が代位弁済をする、弁護士や債権回収会社に回収を委託する、などの可能性があります。

これらは債権回収を専門に行っており、督促を強化する傾向があります。無視を続けると交渉の余地がなくなり、事態が急速に悪化する可能性もあるため、早い段階での対応が重要です。

担保権の行使

借入について担保を提供している場合、返済を怠って督促状を無視し続けると、債権者は担保権を行使する可能性があります。たとえば住宅ローンでは、自宅には抵当権という担保権が設定されており、これを行使されることで自宅が競売にかけられて失われるリスクがあります。

担保権の実行は法的な手続きに基づいて粛々と進められるため、こちらが無視をしても回避はできません。生活の基盤を守るためにも、担保がある借金については早期に対応することが極めて重要です。

裁判・支払督促

督促状を無視し続けた場合、債権者が裁判所に訴えを起こす、または支払督促の申立てを行うことがあります。

支払督促とは、裁判所を通じて借金の返済を命じる簡易な手続きです。これを放置すると、確定判決と同じ効力を持つ「仮執行宣言」が出されます。確定判決・仮執行宣言によって最終的には「強制執行」へとつながるので、法的に不利な立場となります。

強制執行

裁判で支払義務が確定すると、最終的には強制執行が行われる可能性があります。強制執行とは、給与や預金、不動産などの財産を差し押さえる法的措置です。

給与が差し押えられると給与の一部が直接債権者に支払われることになり、会社に知られるとともに、手取りが大きく減って生活そのものに大きな影響が出ます。そのため、事態がそこまで進む前に行動を起こすことが重要です

金融機関からの督促状が来た場合の対応

金融機関からの督促状が来た場合にどのように対応すべきでしょうか。

金融機関と協議する

督促状が届いた段階であれば、債権者と直接交渉する余地があります。今すぐ返済が難しい状況であっても、正直に事情を説明すれば、分割払いへの変更や一時的な支払い猶予を認めてもらえる可能性があります。

連絡を取らずに無視を続けると、信用を失い法的措置に進むリスクが高まるため、誠実な対応が重要です。電話や書面でのやり取りは記録を残すようにし、交渉の履歴を保管しておくと安心です。

親族や知人から借入れ返済する

どうしても返済資金が足りない場合は、親族や信頼できる知人に一時的に借り入れて返済する方法も検討できます。利息なしでお金を借りられる可能性があり、延滞による信用情報の悪化や法的手続きへの発展を防ぐ手段になり得ます。

ただし、個人の金銭トラブルに発展する可能性もあるため、借用書の作成や返済計画の提示など、信頼関係を維持する工夫が必要です。

弁護士に相談して債務整理する

すでに返済が困難で、分割交渉や一時的な借入でも解決が難しい場合は、債務整理を検討すべきです。

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3つの方法があり、状況に応じて債務を大幅に減額または免除することができます。また自己破産・個人再生には給与の差し押えを解除する効果があるので、裁判や強制執行になることを阻止することも期待できます。

まとめ

金融機関からの督促状を無視することで起きることについて解説しました。

信用情報の悪化に始まり、債権譲渡や裁判、最終的には給与・財産の差し押えといった強制執行にまで発展する恐れがあり、適切な対応をする必要があります。

金融機関との話し合いによる解決や親族や知人からの援助を受ける見込みがない場合には、早めに弁護士に相談して債務整理に着手することをおすすめします。