債務整理をすると、ブラックリストに載せられてしまいます。ブラックリストに載せられると、新規の借入れやクレジットカードの利用ができなくなるため、日常生活に支障を与えてしまう可能性があります。
債務整理を検討している人の中には、ブラックリストに載らない方法はあるのかと考えている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、そもそもブラックリストとは何か、ブラックリストに載せられるとどうなるのかを説明したうえで、債務整理でブラックリストに載らない方法はあるのかを解説します。
ブラックリストとは何か
債務整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されてブラックリストの状態になります。
信用情報機関とは、個人のクレジットカードやローンの申込履歴、借入先の情報と借入額、返済や滞納の履歴などを管理する機関のことです。日本には3つの信用情報機関があります。
- JICC（日本信用情報機構）
- CIC（株式会社シー・アイ・シー）
- KSC（全国銀行信用情報センター）
3つの信用情報機関は独立しており加盟する貸金業者や金融機関も異なりますが、それぞれの情報は共有されています。
事故情報とは、債務整理（任意整理・個人再生・自己破産）や長期滞納の情報のことです。信用情報機関に事故情報が記録される期間は、信用情報機関や債務整理の方法によって異なりますが、借金がなくなってから5年ほどとなっています。
つまり、ブラックリストとは、信用情報機関が管理する金融事故情報のことで、1度ブラックリストに登録されると、5年ほどはブラックリスト状態が続くことになってしまいます。
ブラックリストに載るとどうなる？
ブラックリストに載ることによるデメリットは、次のものが挙げられます。
- 新たな借金ができなくなる
- ローンを利用できなくなる
- 新たなクレジットカードの審査に通らなくなる
- クレジットカードを利用できなくなる
- 分割払いを利用できなくなる
- 保証人になれなくなる
ブラックリスト状態になると、一切の借金、ローンの利用ができなくなります。銀行からの融資や消費者金融のカードローンは当然のこと、住宅ローンや自動車ローンも利用できません。ブラックリストの期間は、自宅や自動車などの資産を持つのが難しくなってしまうでしょう。
クレジットカードを利用中の人は、カード会社に信用情報を確認されるタイミングか、更新のタイミングでカードを利用できなくなります。信用情報を確認されるタイミングは、特に決められていないので、債務整理からすぐに使えなくなることもあれば、少しの期間は利用を続けられるケースもあります。利用を止められても、新しくクレジットカードを作成することはできません。
日常的な場面では、携帯電話やスマートフォンの分割払いも利用できなくなります。子どもが独立して家を借りるときの保証人や奨学金の保証人にもなれなくなってしまいます。
ブラックリストにならない債務整理の方法はあるか
主な債務整理の方法には、任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。結論から言うと、ブラックリストにならない債務整理の方法はありません。いずれの方法でも信用情報機関に事故情報が登録されてブラックリストに載ります。
任意整理は、個人再生や自己破産とは異なり、裁判所を利用しない債務整理の方法です。それでも、本来の契約どおりの返済ができなかったという点に変わりはないので、任意整理でもブラックリストに載ることになります。
ただし、任意整理については、債権者との取引履歴を確認した際に過払い金が見つかることもあります。過払い金とは、払い過ぎた利息のことです。過払い金が発生しているケースは、本来の借金を完済している状態と言えます。そのため、過払い金が発生しているときにはブラックリストに載りませんし、過払い金の返還請求も可能です。
なお、複数の業者を相手に任意整理する場合、1社で過払い金が発生していたとしても、残りの業者の債務を任意整理なしで完済しない限りはブラックリストに載ったままです。任意整理でブラックリストに載らないのは、全社で過払い金が発生しているか、過払い金で残りの業者の債務を任意整理せずに完済した場合のみです。
ブラックリストでも借金できる金融業者は利用しない
ブラックリストの時にお金が必要になっても、ブラックリストOKの金融業者は絶対に利用しないでください。
まともな金融業者や金融機関はブラックリスト状態の人にお金を貸すことはありません。ブラックリストOKの金融業者は、無登録のヤミ金か、高金利で取り立ての厳しい悪徳業者の可能性が高いでしょう。
ヤミ金や悪徳業者を利用すると、返済を続けても元本が減らず、脅しも含めた取り立て行為に苦しめられ続けることになります。債務整理の前よりも厳しい状況に追い込まれることになるので、ブラックリストOKの甘い言葉には絶対に乗らないようにしてください。
既にヤミ金から借金をしている場合は、一刻も早く弁護士へ相談することをおすすめします。
さいごに
債務整理をする上でブラックリストに載ることは避けることができません。
実際のところ、借金の滞納が続くとブラックリストに載ります。なので、債務整理を考える方の多くが既にブラックリストに載っているという現実があります。
ブラックリストに載ることで多くの制限がありますが、これを機会に収入と支出のバランスを取る良いタイミングと考えてみるのはいかがでしょうか？
仙台青葉ゆかり法律事務所では、多くの債務整理を手掛けて参りました。借金問題は一人で悩まずにまずは、弁護士にご相談ください。
