
仕事で車に乗ったり、通勤で車を使う方が交通事故を起こした場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
業務で車を運転中に事故を起こした場合は業務災害として、通勤中であれば通勤災害として取り扱われますが、特別な対応が必要なのでしょうか。また、怪我をした場合にはどのような補償が受けられるのでしょうか。
本記事では、業務中に交通事故の被害に遭った場合や通勤災害に該当するケースについて、その対応方法と補償内容を詳しく解説します。
業務中に交通事故に遭った・通勤災害に遭った場合の対応方法
業務中に交通事故に遭った・通勤災害に遭った場合の対応方法は以下の通りです。
車を停車し被害者を救護する
まず、車を停車させて被害者がいる場合には被害者を救護します。自分が怪我をして動けない場合は、加害者や周りの人に救護を依頼し、救急車の手配をお願いしましょう。交通事故で第三者が巻き込まれて怪我をしているような場合、その人を救護しましょう。
交通事故を起こした際には救護義務があり、万が一ひき逃げをすれば、35点の点数が事故とは別につき、これだけで一発免停となります。パニックになって逃げてしまうことを避けるのはもちろん、会社に遅れる・商談に遅れる場合でも、この救護義務は果たす必要があるので注意しましょう。
昨今ドライブレコーダーを搭載している車も増えているので、社用車でひき逃げをすると動画がSNSで拡散され、大問題に発展する可能性があるため、注意が必要です。
危険防止措置をおこなう
次に、危険防止措置を行いましょう。
事故車両を動かせるのであれば安全な場所に動かし、動かせない場合には三角表示板や発煙筒で後続車等に事故があることを知らせる措置をおこないます。
警察に連絡する
警察に連絡します。この場合には110番通報を利用できます。
事故現場を正確に伝えるため、近くにある電柱や自動販売機など、住所が記載されているものを確認し、その情報を警察に伝えましょう。
会社や保険会社へ連絡する
会社や保険会社に連絡を入れます。また、必要があれば、向かっていた商談先など他の関係者にもこのタイミングで連絡しておきましょう。
病院に行く
怪我をしている場合には病院に行って、医師の診断や治療を受けましょう。
労災保険給付を受ける場合、自賠責保険や加害者の保険会社からの補償を受ける場合、いずれの場合でも怪我が交通事故によって生じたことを主張するためには、診断書を取得する必要があります。
労災の場合であれば、労災指定病院で診断を受ければ、診療費などがかかりません。
労災保険給付と自賠責保険・相手の保険会社からの補償の関係
交通事故が業務災害や通勤災害に該当する場合、労災保険給付・自賠責保険・相手の保険会社から被害の補償を受けることができます。
この場合どうすればよいのでしょうか。
どれを利用するかは被害者の自由
まず、被害者がどの方法を利用するかについては被害者の自由となっています。
労災保険の申請について、会社が手続きを面倒に感じ労災保険を使わせないことがありますが、この場合には自分で申請を行うことができます。
二重取りにならなければ併用することもできる
これらは二重取りに該当しない場合、併用することも可能です。
自賠責保険で足りない場合には労災保険給付を受けることもでき、この場合は労災保険給付を受ける際に自賠責保険で受けた給付分は控除されます。
過失が大きい場合には労災保険を使うほうが有利
交通事故について自分の過失が大きい場合には労災保険を使うほうが有利です。自賠責保険や相手の保険会社から補償を受けようとする場合、自分に過失があると過失相殺によって過失分の補償を差し引かれます。
一方で労災保険には過失相殺のような制度もないので、自分の過失が大きい場合には労災保険を使うほうが有利です。
相手が無保険車の場合も労災保険を使うほうが有利
相手が無保険車の場合も労災保険を使うほうが有利です。相手が自賠責保険にしか加入しておらず、任意保険に入っていない場合、自賠責保険だけでは120万円までの補償しかできません。そのため、労災保険を優先的に利用するのが有利です。
慰謝料は労災保険からは回収できないため、労災保険で療養補償等給付や休業補償給付を受け、自賠責保険には慰謝料分の請求をすることもできます。
後遺症が残った場合の後遺障害等級認定も労災保険のほうが有利
後遺症が残った場合、労災保険・自賠責保険ともに、その後遺症の程度に応じて定められている後遺障害等級に認定してもらえれば、一定の給付をしてもらえます。
いずれも審査は同様の基準で行われますが、労災保険のほうが労災認定が有利であるとされています。そのため、後遺症が残ってしまった場合には、労災保険を使うほうが有利でしょう。
まとめ
本記事では、交通事故・通勤災害に遭った場合の対応方法と、補償について解説しました。
交通事故直後は気が動転していて正しい行動を取れない場合があります。万が一のときのために、ぜひこの解説をブックマークしておいてください。
補償を受ける際には被害の程度や交通事故の過失割合、後遺症の有無、相手の保険加入の有無などによってどのような請求をするのが有利かケース・バイ・ケースで考える必要があります。まずは弁護士に相談してみてください。