女性が離婚を有利に進めるために知っておきたいこと

女性が離婚を有利に進めるために知っておきたいこと

離婚を検討している方は、離婚の話し合いをできる限り有利に進めたいと考えているでしょう。

一般的に、婚姻費用や親権などの離婚に関する決め事は、妻が有利になるケースが多く見られます。しかし、離婚を有利に進める方法を知らなければ、本来認められるべき条件よりも不利な条件で離婚が成立してしまうこともあるでしょう。

今回は、女性が離婚を有利に進めるために知っておきたいこととして、離婚の条件公正証書の作成弁護士への相談について解説します。これから離婚の話し合いを始めようとしている女性の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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離婚で決めるべきことを把握する

離婚を有利に進めるには、離婚についての話し合いを始める前に、決めるべきことと有利になる条件を知っておく必要があります。離婚で決めるべきことは、主に次の6つです。

離婚で決めるべきこと
  • 離婚原因
  • 婚姻費用
  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 親権
  • 養育費

ここでは、それぞれの決め事について、話し合いを有利に進めるために知っておきたいことを解説します。

離婚原因について知っておきたいこと

夫が離婚に応じない場合、離婚をするには法律上の離婚原因が必要です。

法律上の離婚原因としては、不倫、DV、モラハラなどが挙げられますが、相手が認めないときには証拠を用意する必要があります。実際の離婚原因で最も多いのは、いわゆる性格の不一致ですが、相手が離婚に応じないときは性格の不一致だけを原因とする離婚は認められません。

離婚原因についての証拠がない場合、離婚の話し合いや調停が長引いたり、離婚を成立させるために条件の妥協を求められたりする可能性があります。離婚を有利に進めるには、離婚原因についての証拠を確保しておくことが重要です。

婚姻費用について知っておきたいこと

離婚成立前に別居する場合、婚姻費用を請求できます。婚姻費用を請求できるのは、収入が少ない側の配偶者です。女性が家計を支えているケースでは、逆に婚姻費用を請求される可能性もあるため注意してください。

女性が婚姻費用を請求できる立場にあり、実際に婚姻費用の支払いを受けている場合は、離婚が成立するまでに時間がかかっても不利になることはありません。離婚の成立を急ぐあまり条件面で妥協しないよう、話し合いや調停を進めていきましょう。

一方で、婚姻費用を支払う立場にある場合は、できる限り早く離婚を成立させる方が、出費を抑えることができます。

慰謝料について知っておきたいこと

離婚の慰謝料を請求できるのは、不貞行為やDVなど、配偶者の一方に夫婦関係を破綻させた責任がある場合のみです。単に性格の不一致を原因に離婚する場合には、慰謝料は発生しません。

慰謝料を請求する際には、証拠の確保が重要です。何が証拠になるのか、いくら請求すべきかわからない方は、弁護士に相談することをおすすめします。

財産分与について知っておきたいこと

財産分与では、夫婦の財産を半分に分けるのが原則となります。

財産分与の対象となるのは、夫婦が婚姻中に築き上げた財産です。妻が専業主婦で収入がなかった場合でも、原則として財産の半分を請求する権利が認められます。夫から婚姻期間中の収入割合に基づく財産分与を提案されることもありますが、しっかりと拒否することが大切です。

また、婚姻前の貯金や親から相続した財産は、財産分与の対象とはなりません。たとえば、妻の親から相続したマンションに居住している場合、夫にはマンションについての取り分は認められません。

親権について知っておきたいこと

親権争いでは、女性が有利に扱われることが多くなっています。特に、子どもが幼いときには、母親に親権が認められるケースがほとんどです。

ただし、夫と親権を争っているときには、妻側も油断できません。親権の判断では、これまでの養育実績や今後の養育環境の整備が重要となります。母親であっても、離婚後の収入の見込みがなく親の協力も得られないといった場合には、親権争いで不利となってしまうため、離婚後の生活方法については離婚前にしっかり検討しておきましょう。

養育費について知っておきたいこと

母親が子どもの親権者となった場合、父親に養育費を請求できます。

養育費の相場は、母親と父親の収入の相関関係によって決まります。離婚時に決めた養育費の金額は、離婚後の状況の変化によって変更することも可能です。離婚後に夫の収入が大きく上がった場合や、自分自身の収入が下がった場合、養育費の増額請求ができることを覚えておきましょう。

養育費については、そもそも支払ってもらえないケースや、途中で支払いがストップしてしまうケースも多く見られます。養育費の支払いを確保するには、協議離婚の場合でも離婚協議書の公正証書を作成しておくことが重要です。

協議離婚の際は公正証書を作成する

協議離婚の際は、離婚の条件をまとめた離婚協議書を公正証書で作成するようにしましょう。

公正証書は公証役場で作成する書類で、確定判決と同様の効力を持ちます。つまり、公正証書に記載した事項に違反した場合には、強制執行手続きで給与や預金口座の差押えが可能です。

離婚の際に慰謝料や養育費の約束をしても、約束通りに支払われないというトラブルは多くあります。支払いがされなかった場合に備えて、公正証書を作成しておくことが重要です。

弁護士に相談する

弁護士への依頼には費用がかかるため、敬遠する方もいらっしゃるでしょう。しかし、離婚を少しでも有利に進めたいのなら、弁護士へ相談することをおすすめします

弁護士に依頼すると、当事者同士では感情的になり進まない話し合いもスムーズに進められることが多いです。離婚の諸条件についても、専門的な見地から最適な資料や証拠の準備ができるため、こちらの条件提示に応じてもらえる可能性も高くなるでしょう。

弁護士費用の心配がある方は、すぐに弁護士に依頼するのではなく、相談から始めてみてはいかがでしょうか。