保釈金の相場と決定要因について知ろう

保釈金の相場と決定要因について知ろう

有名人の保釈のニュースでは、保釈金の額が数千万円や数億円として報道されることもあります。しかし、一般的な保釈金の相場は150万円から300万円ほどです。

保釈金の額は、被告人の経済状況や犯罪の内容などを考慮して決定されます。有名人の保釈金が高額となるケースが多いのは、有名人の経済状況が考慮されてのことです。

今回は、そもそも保釈とは何かを説明したうえで、保釈金の決定要因と相場保釈金を準備できない場合の対策について解説します。

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そもそも保釈とは?

保釈とは、保釈保証金の納付を条件として起訴された被告人の勾留を一時的に停止し、被告人の身柄を解放する手続きのことです。

保釈金を納めれば、常に保釈が認められるというわけではありません。保釈が認められるには、裁判所が事件の重大性や罪証隠滅、逃亡のおそれなどを考慮して保釈を許可したうえで、裁判所が決定した額の保釈金を納める必要があります。

実刑が予測される重大事件や共犯者がいて証拠隠滅のおそれが高い事件などは、保釈が許可されない可能性も高くなります。

保釈金が決定されるまでの流れ

保釈請求ができるのは起訴されてからです。逮捕・勾留中に保釈請求はできません。保釈請求の流れは、次のとおりです。

保釈請求の流れ
  1. 裁判所に保釈請求書を提出する
  2. 弁護人と裁判官との面接、検察官への意見確認が行われる
  3. 保釈許可決定が出される
  4. 保釈金を納付する
  5. 被告人が釈放される

保釈許可の判断が当日中に行われるケースは少なく、保釈請求書の提出から被告人の釈放までは2〜3日ほどかかることもあります。保釈請求を考えている場合は、起訴前から準備を進めておくことが重要です。

保釈金の金額を決める要素と相場

保釈金は、刑事裁判が終わったときに返ってくるお金です。しかし、被告人が保釈中に逃亡したり、裁判に出頭しなかったりしたときには、保釈金が没収されます

保釈金は、被告人の出頭を確保するための担保となるものなので、保釈金の額は、没収されたら困る金額でなくてはなりません。どのくらいの金額が没収されたら困る金額であるかは被告人によって異なります。そのため、保釈金の額は一律ではなく、被告人の経済状況や犯罪の内容によって異なるのです。

ここでは、保釈金の金額を決める要素と保釈金の相場について詳しく解説します。

保釈金の金額を決める要素

刑事訴訟法では、保釈金の金額について「保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。」(同法93条3項)と規定しています。

この規定を前提として、保釈金の金額を決める要素としては次のようなものが挙げられます。

保釈金の金額を決める要素
  • 犯罪の内容、共犯者の有無
  • 犯罪事実を認めているか否か
  • 被害者との示談が成立しているか否か
  • 前科・前歴の有無
  • 身元引受人の有無
  • 被告人の資産、経済状況 など

裁判官は、これらの要素から、被告人の裁判への出頭を担保するに足りる金額を決定します。たとえば、比較的軽微な犯罪で執行猶予が予測されるような事案では、保釈金の金額は低くなる可能性が高いでしょう。逆に、実刑が予測される事案では、高額の保釈金が必要となるケースが多く、そもそも保釈が認められないケースも少なくありません。

保釈金の相場

保釈金の相場は150万円から300万円程度です。被告人に資産がほとんどない場合、保釈金は100万円ほどになることもありますが、100万円を下回ることは基本的にありません。被告人に多額の資産があるときには、保釈金の額が数千万円から数億円になるケースもあります。

罪名ごとの保釈金の相場は、次のとおりです。

窃盗150万円から200万円
傷害150万円から200万円
不同意わいせつ200万円から250万円
不同意性交等300万円前後
横領・背任被害額による差が大きい
殺人保釈が認められる可能性は低い

同じ罪名であっても、被告人の経済状況や予想される判決内容は保釈金の額に大きな影響を与えます。個別具体的な事案で予測される保釈金の額を知りたい方は、弁護士に相談してみてください。

保釈金を準備できないときはどうする?

保釈金を準備できないときには、次の2つの手段で保釈手続きを進めることができます。

保釈金を準備できない場合の手段
  • 日本保釈支援協会の保釈金立替制度を利用する
  • 全国弁護士協同組合連合会の保釈保証書発行事業を利用する

日本保釈支援協会を利用すると、一定の立替手数料を支払うことで、保釈金の立て替え払いをしてもらえます。たとえば、保釈金の額が200万円の場合には、5万5000円の手数料を支払うことで、2か月の間、保釈金の立て替え払いをしてもらえます。

保釈保証書発行事業は、一定の保証料を支払うことで、全国弁護士協同組合連合会が保釈保証書を発行してくれる事業です。保釈保証書は、裁判所の許可のもと提出すれば、保釈金の納付なしに保釈を認めてもらえるものとなっています。

それぞれの制度には、手数料や審査基準などの違いがあります。どちらの制度を利用するかは、担当弁護士と相談するようにしてください。