覚せい剤所持で捕まったら?逮捕された後の流れはどうなる?

覚せい剤所持で捕まったら?逮捕された後の流れはどうなる?

覚せい剤を所持していたことから逮捕された場合どうなってしまうのでしょうか。犯罪であること自体はわかっていても、どのような罪になるのか、どのようなデメリットがあるのか、手続きの流れまでご存知ない方のほうが多いでしょう。

そこで本記事では、覚せい剤所持で逮捕された場合どうなるのかについて解説します。

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覚せい剤に関する罪と刑罰

覚せい剤についての犯罪と刑罰の内容を確認しましょう。

犯罪刑罰
覚醒剤の輸入・輸出・製造1年以上の有期懲役(覚醒剤取締法第41条1項)
営利目的で覚醒剤の輸入・輸出・製造無期又は3年以上の懲役情状により1,000万円以下の罰金を併科(覚醒剤取締法第41条2項)
覚醒剤の所持・譲渡し・譲受け10年以下の懲役(覚醒剤取締法第41条の2第1項)
営利目的で覚醒剤の所持・譲渡し・譲受け1年以上の有期懲役情状により500万円以下の罰金を併科(覚醒剤取締法第41条の2第2項)
覚醒剤の使用 10年以下の懲役(覚醒剤取締法第41条の3第1項1号・第19条)
覚醒剤原料の輸入・輸出・製造10年以下の懲役(覚醒剤取締法第41条の3第1項3号および4号、第30条の6、第30条の8)
営利目的で覚醒剤原料の輸入・輸出・製造1年以上の有期懲役情状により500万円以下の罰金を併科(覚醒剤取締法41条の3第2項)
覚醒剤原料の所持・譲渡し・譲受け・使用7年以下の懲役(覚醒剤取締法41条の4第1項3号ないし5号、第30条の7、第30条の9、第30条の11)

覚醒剤の所持については10年以下の懲役で、営利目的である場合には情状によって500万円以下の罰金が併科されることになり、これは非常に重い刑であるといえます。

覚せい剤所持で捕まった場合に予想されること

覚せい剤所持で捕まった場合、次のようなことが予想されます。

逮捕・勾留などの身柄拘束

逮捕・勾留などの身柄拘束を受けます。

覚せい剤取締法は上記の通り懲役刑を中心とした法定刑の重い重大な犯罪です。そのため、捜査の過程で逮捕・勾留される可能性が高いです。

起訴され前科がつく

起訴され前科がつく可能性が非常に高いです。

令和5年犯罪白書によると、令和4年の覚醒剤取締法違反の起訴率は70.3%で、道交違反を除く特別法犯全体の48.1%(令和4年)に比べると非常に高いという統計結果があります。起訴されてしまうと仮に執行猶予となった場合でも前科が付くことになり、就職・転職に影響したり、いわゆる欠格事由として一定の職業につけないなどで不利益になるなど、社会復帰が難しくなります。

家族関係が破綻する

家族関係が破綻してしまう可能性があります。

上述したように、覚醒剤取締法違反のような薬物犯罪は、社会復帰が非常に困難です。また覚醒剤には依存性があるので再犯率が非常に高いことも知られています。離婚を請求されたり、勘当されるなどで親子であっても頼れなくなるなど、家族関係の破綻が避けられないことがあります。

覚せい剤所持で捕まった場合の流れ

覚せい剤所持で逮捕された場合の、その後の流れについては次の通りです。

まず、逮捕されてからは取り調べを受けます。覚せい剤の使用が疑われる場合には、強制的に尿検査などの検査も行われます。次に送検されてからは勾留が行われ、さらに捜査がすすむと起訴され刑事裁判が始まります。

刑事裁判で有罪が確定し、懲役刑が科されると刑務所に収監されます。なお、判決で執行猶予がついた場合には身柄が解放されます

覚せい剤所持で捕まった場合の量刑や執行猶予に影響する要素

覚せい剤所持で捕まった場合に、量刑(何年の懲役になるか)・執行猶予がつくかについては次の要素が影響します。

初犯か再犯か

覚せい剤所持で捕まった場合の量刑・執行猶予の可否について影響する要素として、初犯か再犯かが挙げられます。

初犯である場合にはまだ更生の可能性が強いものの、再犯である場合には更生の可能性が低く処罰をする必要性が高いです。そのため、初犯であれば刑罰は軽めで執行猶予がつく可能性が高く、再犯である場合には刑罰が重くなり執行猶予がつかなくなる可能性が高くなります。

所持していた覚せい剤の量

覚せい剤所持で捕まった場合の量刑・執行猶予の可否について影響する要素として、所持していた覚せい剤の量がどの程度かが挙げられます。

所持していた覚せい剤が少量であれば悪質性が低いとみなされる可能性があり、逆に多量であれば悪質性が高いとされ再犯の可能性が高いと考えられるため、量刑や執行猶予の可否に影響します。

覚せい剤に依存しているかどうか

覚せい剤所持で捕まった場合の量刑・執行猶予の可否について影響する要素として、覚せい剤に依存しているかどうかが挙げられます。

覚せい剤に依存している場合には再犯の可能性が高く、量刑が重くなる・執行猶予がつかなくなる可能性が高くなります。

覚せい剤所持が営利目的であるかどうか

覚せい剤所持で捕まった場合の量刑・執行猶予の可否について影響する要素として、覚せい剤所持が営利目的であるかどうかが挙げられます。

営利目的で覚せい剤を所持していた場合、社会への影響があり悪質性が高いとみなされ、量刑が重くなる・執行猶予がつかなくなる可能性が高くなります。

まとめ

本記事では覚せい剤所持で捕まった場合の影響やその後の流れについて解説しました。

覚せい剤所持については起訴率が高く、その後の人生に影響する可能性が非常に高いです。そのため、できる限り起訴猶予になる・執行猶予をつけてもらうなど、起訴されない・刑が軽くなるようにすることが欠かせません。弁護士に依頼し、起訴を回避したり、刑を軽くしてもらうための弁護活動を依頼することが重要です。