
未成年者にわいせつな行為をしたり、性交等を行った場合に、不同意わいせつ罪(刑法第176条)不同意性交等罪(刑法第177条)が成立する可能性があります。もし相手がわいせつなことをすることに同意している・性交等をすることに同意している場合でも、性的同意年齢に達していなければなりません。この年齢が昨今16歳に引き上げられ、一定のケースでは年齢差が問われるのですが、どのような内容となっているのでしょうか。
今回は、2023年に行われた性犯罪の厳罰化に伴い性的同意年齢が13歳以上から16歳以上になったことや、未成年との性行為を処罰する関連法に関して解説します。
性的同意年齢が問題になる規定と改正内容
性的同意年齢が問題になる規定と改正内容について確認しましょう。
不同意性交等罪・不同意わいせつ罪で性的同意年齢が問題になる
性的同意年齢は、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪で問題となります。
同意をしていない、または同意することが困難な状況の相手にわいせつな行為をした場合は、不同意わいせつ罪が成立します。同様に性交等を行った場合は、不同意性交等罪が成立します。
わいせつ行為や性交等についての同意をきちんとできない年齢の者を保護するための規定として、刑法第176条・第177条の第3項には以下のように性的同意年齢に関する規定があります。
刑法第177条第3項十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
刑法第176条第3項十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
なお、不同意わいせつ罪はかつては強制わいせつ罪と、不同意性交等罪はかつては強姦罪・強制性交等罪と呼ばれていましたが、こちらも改正の結果現在の名称となっています。
性的同意年齢の内容
性的同意年齢の内容については次の通りです。
- 13歳未満の場合はどのような場合でも同意がないとして不同意性交等罪・不同意わいせつ罪が成立する
- 13歳以上16歳未満の場合、行為者がその者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限り不同意性交等罪・不同意わいせつ罪が成立する
相手が13歳以上16歳未満の場合、行為者が相手より5歳以上年上である場合にのみ、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪が成立します。
性的同意年齢は13歳から16歳に引き上げ
2023年(令和5年)7月13日に性的同意年齢に関する法律が改正され、現在の規定が適用されるようになりました。従来の性的同意年齢は13歳以上とされていましたが、これが16歳以上に引き上げられた形です。
以前は、性交やわいせつ行為に同意するためには、行為の性的な意味を理解できる能力があれば十分とされていました。しかし、性的な行為に対して自由かつ有効に意思決定を行うには、行為が自分にどのような影響を及ぼすかを自分で考え、理解し、それに基づいて適切に対応できる能力も必要だと考えられるようになりました。このため、こうした能力を備えたとみなされる16歳以上であることが求められるようになったのです。
また、一般的に相手との年齢差が大きくなるほど、社会経験などの違いによって対等な関係を築きにくくなると考えられるため、13歳以上16歳未満の相手と性的な関係を持つ場合、行為者が相手より5歳以上年上であれば処罰の対象となるように規定されました。
16歳以上でも犯罪が成立することがある
以上を踏まえると相手が16歳以上であれば不同意性交等罪や不同意わいせつ罪は成立しません。
しかし、相手が16歳以上の場合でも相手が18歳未満であれば、次の犯罪が成立する可能性があるので注意しましょう。
| 罪名 | 刑罰 |
|---|---|
| 宮城県青少年健全育成条例違反 (淫行条例) | 2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 児童買春 | 5年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金 |
淫行条例
いわゆる淫行条例(青少年保護育成条例・青少年健全育成条例)違反となる場合があります。宮城県の場合、宮城県青少年健全育成条例において青少年(18歳未満)に対する淫行が禁止されており、刑事罰が規定されています。

児童買春
児童(18歳未満)にお金を渡して性交をする等の児童買春は、児童買春・児童ポルノ禁止法に違反するものとして刑事罰が規定されています。

2023年7月13日改正には次のような重要な改正もある
2023年7月13日の改正には、性犯罪の厳罰化の観点から、ほかにも次のものがあることを確認しておきましょう。
- 強制わいせつ罪・強制性交等罪における「暴行」・「脅迫」要件・準強制わいせつ罪・準強制性交等罪における「心神喪失」・「抗拒不能」要件を改正した
- 身体の一部又は物を挿入する行為を性交等として規定
- 配偶者間において不同意性交等罪・不同意わいせつ罪が成立することを明文化
未成年との交際や性犯罪のトラブルでお悩みの方へ
本記事では、刑法の改正で性的同意年齢が16歳に引き上げられたこと、一定の年齢差が必要となったことなどを中心に解説しました。性犯罪の厳罰化に伴い、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪の規定が改正され、性的同意年齢の引き上げはその中の1つで重要な改正といえます。
今回は性的同意年齢にフォーカスを当てて解説しましたが、未成年淫行に関する記事もあるので併せてご覧ください。

「10代の相手と付き合っていたが、相手の親から被害届を出すと言われた」
「不同意性交等罪にあたる行為をしてしまい、警察から呼び出しを受けそうで不安」
2023年の法改正により、性的同意年齢や年齢差に関する規定は厳罰化されました。「お互いに同意があったから大丈夫」と思っていても、法律上は犯罪が成立してしまい、突然逮捕されるケースも少なくありません。
性犯罪事件では、「逮捕される前の対応」や「逮捕後すぐの72時間以内の弁護活動」が、その後の処分(釈放、不起訴、減刑など)を大きく左右します。早期に示談交渉を進めることで、事件化や実名報道を防げる可能性も高まります。
仙台青葉ゆかり法律事務所では、不同意性交等罪や児童買春・淫行条例違反といった性犯罪の弁護活動に力を入れています。一人で悩み手遅れになる前に、まずはお気軽にご相談ください。







