風俗店やデリヘルで盗撮がバレたら逮捕される？

風俗店やデリヘル（派遣型風俗）を利用している最中に盗撮をしてしまい、それが発覚した場合、店から多額の賠償金を請求されると同時に、刑事事件になることがあります。

では、風俗店やデリヘルで盗撮をした場合、どのような犯罪となるのでしょうか。また、逮捕される可能性があるのでしょうか。

本記事では、風俗店やデリヘルで盗撮がバレたら逮捕されるのか、について解説します。

風俗店やデリヘルで盗撮した場合に成立する犯罪

風俗店やデリヘルで盗撮した場合に成立する犯罪には次のものがあります。

風俗店やデリヘルで盗撮をすると撮影罪が成立します。

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律（以下、性的姿態撮影処罰法）第2条第1項第1号は、次のものを撮影すると撮影罪が成立することを規定しています。

撮影すると撮影罪が成立するもの

風俗店での盗撮内容がいずれかに該当する場合、撮影罪が成立します。

撮影罪の法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

性的姿態撮影処罰法は令和5年7月13日に施行された新しい法律なので、これ以降に行われた行為についてのみ処罰の対象となります。

風俗店やデリヘルで盗撮していた場合には性的姿態撮影処罰法の送信罪が成立します。

性的姿態撮影処罰法第5条第1項第1号は、正当な理由がないのに、送信されることの情を知らない者の対象性的姿態等の映像を送信する行為を禁止しています。風俗店やデリヘルで盗撮をしてライブストリーミングで配信した場合、送信罪として処罰されます。

送信罪の法定刑は5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金です。

令和5年7月12日以前に行われた風俗店・デリヘルの盗撮は、各都道府県で制定されている迷惑防止条例違反として犯罪になります。

各都道府県では迷惑行為を処罰対象とする迷惑防止条例が規定されており、人に迷惑となる行為を犯罪として処罰しています。

宮城県でも「迷惑行為防止条例」が定められており、宮城県迷惑行為防止条例第3条の2第3項において、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人を撮影することを処罰の対象としています。風俗店・デリヘルの盗撮はこれにあたります。

また、同条は、撮影する目的で写真機、ビデオカメラ、その他これらに類する機器を向ける、設置することも同様に処罰の対象としています。

宮城県の迷惑行為防止条例違反の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

風俗店やラブホテル等に盗撮を目的として入る行為については建造物侵入罪に該当します。

刑法第130条は、正当な理由がないのに建造物に侵入した場合、建造物侵入罪が成立するとしています。盗撮を目的として建造物に入った場合には正当な理由のない侵入となり、建造物侵入罪が成立します。

建造物侵入罪の法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

風俗店・デリヘルで盗撮をする行為は軽犯罪法違反にも該当します。

軽犯罪法第1条23号は「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見」ることを禁じています。風俗店・デリヘルでの盗撮はこれにもあたるため、軽犯罪法違反です。

軽犯罪法違反の法定刑は拘留または科料です。

風俗店やデリヘルでの盗撮によって逮捕される可能性があるのでしょうか。

昨今、盗撮などの性犯罪について厳罰化の傾向があります。

撮影罪が施行される前の2021年3月21日に、風俗店で女性を盗撮したとして愛知県で愛知県迷惑行為防止条例違反容疑で逮捕者が出ています。

撮影罪が施行されてからは、宮城県の隣の山形県で、デリヘルで呼んだ女性を盗撮しようとして逮捕者が出ています。

そのため、警察沙汰となった場合には逮捕される可能性が高いと考えられます。

風俗店やデリヘルでの盗撮が発覚した場合、店舗とのトラブルに発展することが避けられません。法外な慰謝料などの要求や、暴力行為、不当な要求を受ける事態に発展することがあり、示談をする場合にも注意が必要です。

本記事では、風俗店やデリヘルでの盗撮で成立する犯罪と、逮捕の可能性について解説しました。

風俗店やデリヘルで盗撮をすると、撮影罪などの犯罪で処罰の対象となるほか、風俗店とのトラブルに発展し、その解決を自力で行うのは困難です。なるべく早く弁護士に依頼し、適切な解決をはかるようにしましょう。