パパ活は犯罪行為になる?危険性や注意点は?

パパ活は犯罪行為になる?危険性や注意点は?

中高年男性が若い女性とデート等を行い、対価として金銭や物品を渡す行為はパパ活と呼ばれ、SNSやマッチングアプリを介して行われています。このパパ活は犯罪行為になるのでしょうか?犯罪行為になる場合、どのような危険性や注意点があるのでしょうか。

本記事では、パパ活は犯罪行為になるのかを中心に解説します。

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パパ活とは

パパ活とは、一般に中高年男性が若い女性とデートなどを行い、対価として金銭や物品を渡す行為を指します。なお、ほとんどのケースで若い女性が対象となりますが、中には若い男性である場合もあります。パパ活とは逆に中高年女性が若い男性等とデートを行い、対価として金銭や物品を渡す行為のことをママ活といい、同様の問題が生じます。

パパ活は次の2点から構成されます。

若い女性が見返りを条件に中高年男性とデート等を行う

パパ活の構成要素の1つは、若い女性が見返りを条件に中高年男性とデート等を行うことです。一般的に中高年男性と若い女性という関係にあることからこのように言われるだけで、需要と供給が一致すれば年代は問いません。

見返りは金銭やモノであるのが一般的

パパ活の構成要素のもう1つとして、見返りが金銭や物品であることが一般的だという点が挙げられます。デート等1回につきいくら、あるいはモノ(貴金属やブランド物であることが多い)という形の見返りがほとんどです。

パパ活は違法?犯罪が成立する場合

パパ活は違法なのでしょうか。犯罪が成立する場合はあるのでしょうか。

デートや食事の範囲内であれば違法性は生じない

デートや食事の範囲内であれば違法性は生じません。

デートや食事の範囲内で、見返りや対価として金銭やモノを渡す行為を処罰する法律はありません。そのため、犯罪に問われることはありません。

相手が未成年者である場合に未成年者誘拐罪が成立しうる

相手が未成年者である場合、未成年者誘拐罪(刑法第224条)が成立する可能性があります。

誘拐とは、欺罔行為や誘惑によって従来の生活環境から離脱させる行為をいいます。パパ活は誘惑によって未成年者を誘拐しようとするものであり、未成年者誘拐罪が成立する可能性があります。未成年者誘拐罪が成立すると3か月以上7年以下の懲役となり、逮捕・起訴のリスクが高まります。また、わいせつ目的である場合には、わいせつ目的誘拐罪(刑法第225条)として1年以上10年以下の懲役となり刑が加重されるため、注意が必要です。

わいせつ目的で16歳未満に会うことを要求すると面会要求罪が成立しうる

わいせつ目的で16歳未満の者に会うことを要求すると、面会要求罪が成立する可能性があります。

わいせつ目的で金銭を与えたり、与える約束をして面会を要求すると、刑法第182条1項第3号で、面会要求罪が成立します。面会要求罪は2023年7月の刑法改正で規定されたもので、その法定刑は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が課されます。

さらに進んで、実際に会った場合には、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が課されるものも併せて知っておきましょう。

未成年者相手に体の関係をもった場合

未成年者と体の関係を持った場合、以下の犯罪が成立する可能性があります。

未成年者と体の関係を持った場合に成立する可能性がある犯罪
  • 淫行条例違反
  • 児童買春
  • 不同意わいせつ・不同意性交

淫行条例違反

いわゆる青少年保護育成条例における青少年との淫行の禁止を規定するものを淫行条例といいます。宮城県の場合は宮城県青少年健全育成条例第31条第1項で青少年(18歳未満のこと)との淫行が禁止されています。淫行条例については宮城県青少年健全育成条例第41条第1項で、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が規定されています。

児童買春罪

パパ活で体の関係をもった場合には、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下児童買春・児童ポルノ禁止法)第4条の児童買春に該当します。児童(18歳未満のこと)に対して対価を支払って性交等を行うことを児童買春といい、児童買春・児童ポルノ禁止法第4条で禁止されています。法定刑は淫行条例よりも重い5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が規定されています。

不同意わいせつ・不同意性交

相手が16歳未満である場合同意をしていても不同意わいせつ(刑法第176条)・不同意性交等となります(刑法第177条)。不同意わいせつは6か月以上10年以下の拘禁刑が、不同意性交は5年以上の有期拘禁刑が規定されています。

成人・未成年者問わず売春防止法に違反するが刑罰規定はない

成人・未成年に関わらず売春を行った場合、売春やその相手方になる行為は売春防止法第3条に違反します。もっとも売春防止法第3条には刑罰規定は無く、売春をしたことによって男性側・女性側に犯罪は成立しません。

パパ活で逮捕に至った時のリスク

パパ活で逮捕に至ったときには次のリスクがあります。

パパ活で逮捕に至った時のリスク
  • 社会的な影響:逮捕や勾留により会社に出勤できなくなるなど
  • 家族への影響:最悪のケースでは離婚問題に発展することも

パパ活で逮捕に至る場合の多くが性犯罪に絡むものであり、会社にバレた場合には懲戒解雇などのおそれがあります。また性犯罪で逮捕されたことによって家族からの見る目が厳しくなるほか、不貞行為として離婚原因となり(民法第770条第1項第1号)、離婚問題に発展すると厳しい立場に置かれます。

罪に問われる行為をした場合の対応

罪に問われる行為をした場合の対応として次のものが挙げられます。

罪に問われる行為をした場合の対応
  • 被害者と示談する
  • 警察に自首する

被害者と示談をすることは非常に重要で、告訴がなければ犯罪とならない親告罪である未成年者誘拐で事件化することを防ぐことができ、他の犯罪でも逮捕・起訴される可能性を下げる効果があります。また、自首によって罪証隠滅・逃亡のおそれや起訴が必要ないことを示せる場合もあります。

性犯罪であり、未成年者が対象となっている場合、自分で示談をしようとしても相手の親が容易に応じてくれないこともあるので、弁護士に依頼して示談をするのが望ましいでしょう。

まとめ

本記事ではパパ活は犯罪行為になるのかについて解説しました。

特に相手が未成年者である場合、体の関係を持つと逮捕の可能性が高まる重大な犯罪に該当することになります。そのため被害者と示談をするなど早めの対応が必要です。弁護士に依頼して適切な刑事弁護を受けることをおすすめします。