痴漢冤罪で逮捕されたら?正しい対処法を解説!

痴漢冤罪で逮捕されたら?正しい対処法を解説!

実際に痴漢をしていないにもかかわらず、痴漢をしたとして取り扱われる痴漢冤罪。対応を誤ると逮捕され、家族や職場に迷惑をかけてしまう可能性もあります。もし痴漢冤罪で逮捕された場合、どのように対処すべきなのでしょうか。また、やってはいけないことにはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

本記事では、痴漢冤罪で逮捕された場合の正しい対処法について解説します。

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痴漢冤罪とは

痴漢冤罪とは、実際に痴漢をしていないにもかかわらず、痴漢をしたとして取り扱われることをいいます。

痴漢をしていないのに痴漢として扱われた場合、刑事事件として逮捕・起訴され刑罰を科される可能性があり、民事では損害賠償請求を受けることもあります。また、働いている人であれば職場を解雇される、学生ならば退学させられるなどの処分を受けることもあります。家族や周囲の信頼を失う点も見逃せません。

痴漢をした場合に成立する犯罪

痴漢行為に該当する可能性のある犯罪には、主に以下の2つがあります。

痴漢をした場合に成立する犯罪
  1. 迷惑防止条例
  2. 不同意わいせつ罪

迷惑防止条例

痴漢は各都道府県にある迷惑防止条例に該当します。

各都道府県にはいわゆる迷惑防止条例というものが制定されており、痴漢はその中で処罰されます。宮城県では迷惑行為防止条例という名称で制定されており、その第3条の2において、公共の場所にいる人または公共の乗り物に乗っている人に対して、人を著しく羞恥させまたは人に不安を覚えさせる態様で、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接人の身体に触れることを禁止しています。

宮城県迷惑行為防止条例に違反した場合、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(常習性がある場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金)に処せられます。

参考:宮城県迷惑行為防止条例|宮城県警察

不同意わいせつ罪

衣服の中に手を入れるなど、より強いわいせつ行為を行った場合、迷惑防止条例ではなく刑法第176条の不同意わいせつ罪に該当します。

刑法第176条は同意をしていない相手にわいせつな行為を行った場合の処罰を規定しています。痴漢の場合、暴行・脅迫をする(1号)・寝ている相手にわいせつ行為をする(4号)・同意しない意思を形成するなどのいとまがない間にわいせつ行為をする(5号)、予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させる(6号)などによるわいせつ行為であるといえます。

不同意わいせつ罪は6か月以上10年以下の拘禁刑に処せられます。

参考:刑法|e-Gov法令検索

痴漢冤罪で逮捕された場合にやってはいけない対処法

痴漢冤罪で逮捕された場合にやってはいけない対処法は次の通りです。

痴漢冤罪で逮捕された場合にしてはいけないこと
  1. その場から逃げる
  2. 警察からの個人情報の開示に応じない
  3. 痴漢をしていないのに自白する

その場から逃げる

痴漢冤罪で逮捕された場合にやってはいけないことの1つ目はその場から逃げることです。

逮捕は証拠隠滅と逃亡のおそれがある場合にすることができます(刑事訴訟規則第143条の3)。その場から逃げることは逃亡の恐れがあると判断され、逮捕されるリスクが高まります。

参考:刑事訴訟規則|裁判所

警察からの個人情報の開示に応じない

痴漢冤罪で逮捕された場合にやってはいけないことの2つ目は、警察からの個人情報の開示に応じないことです。

警察からの個人情報の開示に応じないと、罪証隠滅や逃亡のおそれありと判断されるためです。

痴漢をしていないのに自白する

痴漢冤罪で逮捕された場合にやってはいけないことの3つ目は、痴漢をしていないのに自白することです。

日本の刑事事件の特徴として、自白が重要視されることが挙げられます。そのため、なんとか自白を引き出すために、「罪を認めればすぐに帰れる」といった言葉で自白を促す場合があります。そして、この自白をもとに起訴され、有罪判決を受ける可能性があります。

併せて、被害を訴えている人に謝る供述調書に署名するなどの行為も自白とみなされる可能性があり、非常に危険です。

痴漢冤罪で逮捕された場合の正しい対処法

痴漢冤罪で逮捕された場合の正しい対処法は次の通りです。

スマートフォンや携帯電話で相手や駅員などの会話を録音する

痴漢冤罪で逮捕された場合の正しい対処法の1つ目が、スマートフォンや携帯電話で相手や駅員などの会話を録音することです。

被害者とされる相手や駅員の発言が、時間の経過とともに矛盾する可能性もあります。自分は痴漢をしていないことがわかる資料となる可能性があるので、スマートフォン等の録音・録画機能を使って記録を残しましょう。

直ちに弁護士を呼ぶ

痴漢冤罪で逮捕された場合の正しい対処法の2つ目が、直ちに弁護士を呼ぶことです。

痴漢を疑われた場合、自分が痴漢したのではないことを示すための行動が必要です。逮捕されると自らの行動が制限されるため、弁護士に依頼して適切な対応を取ることが重要です。

家族や職場に連絡をする

痴漢冤罪で逮捕された場合の正しい対処法の3つ目が、家族や職場に連絡することです。

ケースによってはいつもどおりの時間に自宅に帰れない・職場に遅刻する・欠勤するなどが考えられます。そのため、できるだけ早い段階で家族や職場に連絡しておくことが望ましいです。

まとめ

本記事では痴漢冤罪で逮捕された場合の正しい対処法について解説しました。

痴漢をしていないにもかかわらず痴漢として扱われる痴漢冤罪では、対応を誤ると身柄拘束を長引かせるばかりか、有罪判決を受ける可能性もあります。そうならないように、なるべく早い段階から弁護士に相談・依頼してください。