痴漢・盗撮をしてしまったらどうすればよいか――逮捕・示談・不起訴に向けて今すぐ取るべき対応

「痴漢をしてしまった」「盗撮が発覚するかもしれない」「警察から連絡が来た」

このような状況では、逮捕されるのか、勤務先や家族に知られるのか、前科が付くのかなど、さまざまな不安が一度に押し寄せます。しかし、焦って被害者に連絡するなどの行動を取ると、かえって状況を悪化させるおそれがあります。

痴漢・盗撮事件では、事件直後から警察の取調べが始まるまでの対応が、その後の身柄拘束や処分に影響することがあります。まずは落ち着き、できるだけ早く刑事事件を扱う弁護士へ相談することが重要です。

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痴漢・盗撮にはどのような犯罪が成立するのか

痴漢や盗撮に適用される法律は、行為の内容や場所などによって異なります。

痴漢行為については、各都道府県の迷惑行為防止条例違反となる場合があります。一方、衣服の中に手を入れるなど行為の態様が重大な場合には、刑法上の不同意わいせつ罪が成立する可能性もあります。

盗撮については、2023年7月に施行された「性的姿態撮影等処罰法」により、正当な理由なく、ひそかに性的な部位や下着などを撮影する行為が処罰の対象となります。同法の撮影罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

撮影した画像や動画を第三者へ提供した場合や、インターネット上に公開した場合には、撮影行為とは別の犯罪が成立することもあります。また、事案によっては都道府県の条例や、児童買春・児童ポルノ禁止法などが問題になる可能性もあります。

どの法律が適用されるかは、「どこで」「誰に対して」「どのような方法で」「何を撮影したか」といった具体的な事情によって決まります。インターネット上の一般的な解説だけで、自分の事件の見通しを判断するのは危険です。

痴漢・盗撮をしてしまった直後に避けるべき行動

1.被害者へ直接連絡しない

謝罪したいという気持ちがあっても、被害者本人に直接連絡したり、待ち伏せしたりしてはいけません。被害者に恐怖を与えるだけでなく、口止めや証拠隠滅を図ったと受け取られる可能性があります。
謝罪や示談の申入れは、原則として弁護士を通じて行うべきです。

2.SNSなどに事件の内容を書き込まない

匿名のつもりでも、投稿内容から本人や事件が特定されることがあります。投稿が捜査上の証拠となったり、被害者のプライバシーをさらに侵害したりする可能性もあります。友人や同僚へ安易に事件を打ち明けることにも注意が必要です。

3.事実と異なる説明をしない

その場を切り抜けようとして、警察に事実と異なる説明をすると、後に供述との食い違いを指摘され、反省していないと評価されるおそれがあります。

もっとも、警察から質問されたことに、準備のないまま直ちに答えなければならないわけではありません。供述する前に弁護士へ相談し、黙秘権を含めた取調べへの対応について助言を受けることが大切です。内容を十分に確認せず、供述調書へ署名・押印することも避けるべきです。

必ず逮捕されるとは限らない

痴漢・盗撮事件が警察に発覚しても、必ず逮捕されるわけではありません。住所や勤務先が明らかであり、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断されれば、身柄を拘束せずに捜査する「在宅事件」として進むこともあります。

一方、現場から逃げた、被害者へ接触した、同種の前科・前歴があるといった事情は、逮捕や勾留の判断で問題となり得ます。

逮捕された場合、警察は原則として逮捕時から48時間以内に、被疑者を釈放するか、事件を検察官へ送致します。検察官は、身柄を受け取ってから原則24時間以内、かつ逮捕時から通算72時間以内に、釈放するか、裁判官へ勾留を請求するかを判断します。勾留が認められると、原則10日間、延長された場合にはさらに最長10日間、身柄拘束が続く可能性があります。

身柄拘束が長引けば、仕事や家庭生活に大きな影響が生じます。そのため弁護士は、家族による監督、定まった住所や勤務先があること、証拠隠滅や被害者への接触をしないことなどを示し、早期釈放を求めます。

示談は不起訴に向けた重要な活動

痴漢・盗撮事件では、被害者との示談が処分を左右する重要な事情となることがあります。

示談では、被害者へ謝罪し、被害弁償や慰謝料を支払うことなどについて話し合います。被害者が許す意思を示しているか、適切な被害回復が行われているかは、検察官が起訴・不起訴を判断する際に考慮される可能性があります。

ただし、示談が成立すれば必ず不起訴になるわけではありません。行為の悪質性、被害の程度、余罪の有無、前科・前歴、本人の反省状況なども踏まえて判断されます。

また、加害者本人には、被害者の氏名や連絡先が伝えられないことが一般的です。捜査機関が、弁護士に限って被害者の連絡先を伝えるケースもあります。被害者の心情に十分配慮しながら示談交渉を進めるためにも、弁護士を介する必要性は高いといえます。

再犯防止への取組みも重要

痴漢・盗撮事件では、処分を軽くするためだけに形式的な反省を示すのでは十分ではありません。なぜその行為に至ったのかを振り返り、再び同じ行為をしないための具体的な対策を講じる必要があります。

例えば、専門医療機関やカウンセリング機関を受診する、家族の協力を得て生活や端末の利用方法を見直す、犯行につながりやすい場所や状況を避けるといった方法が考えられます。

再犯防止策は、その人の生活環境や行為に至った経緯に応じて検討する必要があります。弁護士に相談しながら、実行可能で継続的な対策を組み立てることが大切です。

逮捕される前でも弁護士へ相談できます

弁護士への相談は、逮捕された後に限られません。

「駅で呼び止められたが、その場では帰された」「防犯カメラに映っているかもしれない」「警察から電話が来た」「スマートフォンを任意提出するよう求められた」といった段階でも相談できます。

早期に相談すれば、警察から連絡を受けた際の対応、取調べでの注意点、被害者への謝罪や示談、自首を検討すべきかどうかなどについて、具体的な助言を受けることができます。弁護士が事前に事情を把握し、警察への出頭に同行したり、逮捕を避けるための働きかけを行ったりできる場合もあります。

痴漢・盗撮をしてしまったことを一人で抱え込み、誤った行動を取る前にご相談ください。弁護士法人仙台青葉ゆかり法律事務所では、事件の内容と現在の状況を丁寧に確認し、身柄拘束の回避・早期釈放、被害者との示談、不起訴処分の獲得、再犯防止に向けた対応を検討します。

※本記事は一般的な法律情報を提供するものであり、個別の事件についての法的助言ではありません。適用される法律や処分の見通しは、具体的な事情によって異なります。